観光の日

July 2, 2010

今日は1日観光にあてる。現地催行のオプショナルツアーを予約していたので、9時のカイロ集合にあわせて5時起き。6時過ぎにホテルを出たが、案の定タクシーはつかまらない。歩いて駅に行く。相変わらず、どのホームから出発するのか分からないので、駅の人に聞く。車内に入って、中の人にも聞く(エジプトでは、ダブルチェックが基本)。

2時間半かけて、カイロに到着した。ガイドさんは、無事に私の名前を掲げて待っていてくれた。ギザの3大ピラミッド、赤いピラミッドと屈折ピラミッド、メンフィス、階段ピラミッドの順に回る。私はじっくり見物する派だが、次々と連れて行かれる感じ。いかにも日本人仕様にできている。それでも、これだけの観光地を自力で回るのは容易ではない。パッケージの強みか。

カフラー王のピラミッド
カフラー王のピラミッド

教科書で見るピラミッドを目の前にして、もっと感慨が沸くかと思ったが、それほどでもなかった。これは、ピラミッドにつながる背景が私の興味を喚起しないからかもしれない。何とか王朝の何代目の王様のお墓・・・といわれても、「それはすごいねぇ」と答えるしかない。
私が興味を持っているのは、ポンペイの遺跡のように、街の人がどんな暮らしをしていたかが分かるもの。エジプトでは残念ながら、ピラミッドを建設した人や、市民がどんな暮らしをしていたかは、ピラミッドを見ていても分からない。ちなみに、ピラミッドの石に当時の職人さんが何かサインを残していないか聞いてみたが、「無い」とのこと。がっかり。

翌日、アレクサンドリアの国立博物館で見た夫婦の彫像や、生活感のある絵はものすごく興味をもって見られた。まず博物館に行ってから、ピラミッドの実物を見るべきだった。

天文学にも深い関係のあるピラミッドではあるが、現地に行ってもそれが体感できるわけでもないので残念である。
ラクダに乗る体験もいいけれど、そういう施設も必要だと思うのです。って、これは日本人の発想か?

ラクダ乗りの体験
ラクダ乗りの体験

駆け足の観光を済ませて、ぎりぎり17時に帰着場所のラムセス駅に到着した。相変わらずプラットホームが分からない。こんどは6番線だという。ふ~む。まぁ、無事にアレクサンドリアに帰ってこられたから、いいか。

明日はいよいよ帰国の途につく。混沌と喧騒の国、エジプトから解放されるわけだが、反面ちょっぴり寂しい気もする。

混沌、というのは、実は違う。日本人から見て混沌なようでも、現地の人にとってはちゃんと調和している。信号の無い道路を横断する歩行者も、突然車線変更するドライバーも、ぼったくるタクシーも、ちゃんと彼らの論理に基づいて行動しているのだから。 ちなみに、現地のバスは基本的に停留所で止まらない。バスには飛び乗るか、飛び降りるかする。お昼ご飯のとき、ガイドさんに「車いすの人や、お年寄りはどうやってバスに乗るのか?」と聞いたら、「バスには乗らない」と大笑いされた。そういうもんですか・・・。 「バリアフリー」という概念を一所懸命説明したけど、結局分かってもらえなかった。過保護的に過ごしている日本人と、自己責任で生きているエジプトの人との考え方の溝を埋めるのは容易ではない。 さらに、ちなみに、ガイドさんは地元の大学で考古学を専攻している専門家。車のドライバーは、企業の元化学エンジニアで、リタイア後この仕事をしているという。ドライバーの息子さんは技術系の大学を卒業したが仕事が無く、娘さんは大学で薬学を勉強しているけど就職が難しそう、という話であった。このツアーの関係者は、現地では知識層に含まれると思うけど、社会的な現実は厳しいものがあると、話の一端から感じた。

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