地球は、太陽の周りを約1年かけて公転してますよね。 で、4年に1回ズレを直すために1日多く回りますよね。 じゃぁ、その1日分のほんの少しだけのズレは どこで補われるのですか。 何年か前に香港全体(多分ここだったと…)で、 みんないっせいに時計の針をずらしたと 聞いたことがあります。 これはそのズレと関係あるのですか。
Q&A[1075] 公転のせいで昼夜逆転しないの?
http://www.bekkoame.ne.jp/~t-mori/Konet/Konet1075.html
の続編のようなご質問ですね。
主旨は4年に1回の閏年だと正確ではないはずで、残りの誤差はどうなるのか? ということでよろしいでしょうか。基本的には閏年は4年に1回で正しいのですが、実は例外もあります。閏年は下記の約束で決められています。
西暦の年号が4で割り切れる年 | → | 閏年 |
西暦の年号が100で割り切れる年 | → | 平年(閏年を取り消す) |
西暦の年号が400で割り切れる年 | → | 閏年(閏年の取り消しを取り消す) |
上記でいきますと1年の長さは
(日)
になります。地球の公転周期(太陽の廻りを廻る時間)は平均365.2422(日)であることが分かっていますので、1年あたりの誤差は0.0003(日)=25.92(秒)です。1年あたり26秒の誤差では季節がずれるほどの影響はありませんので、この仕組みの暦を使っています。
ちなみに西暦2000年は400年に1回の閏年の取り消しの取り消しの年にあたり、非常に珍しい(?)閏年です。
※現在日本で使われているのは「グレゴリオ暦」と呼ばれるものです。上で説明した暦です。以前は閏年の取り消しなどの操作をしない「ユリウス暦」という暦が使われていました。ユリウス暦の1年は365.25ですから、1年につき0.0078(日)=11.2(分)の誤差が生じます。これは長い間には季節とのずれが問題になりますので、1582年に現行のグレゴリオ暦に改められました。
※日本では太陰太陽暦→ユリウス暦(1872〜)→グレゴリオ暦(1898〜)のように変遷しています※1
なお、ご質問に出てきた「時計の針をずらした」とは「うるう秒」の補正のことを指していると思われます。うるう秒は地球の自転の変化と原子時計のずれを補正するために導入されています。地球の自転の変化の主な原因は潮汐によって地球の自転周期(1日の長さ)が長くなることです。概ね1年に1回、1秒のうるう秒が挿入されることが多いようです。
※1 日本では1872年に太陰太陽暦(天保暦)が廃止され、明治5年12月2日の翌日を明治6年1月1日としました。この時の明治政府の意図は、太陰太陽暦からグレゴリオ暦への改暦でしたが、置閏法に誤りがあり、ユリウス暦と同じ仕組みになっています(ただし、ユリウス暦との連続性に欠けています)。この誤りが正されたのが1898年の勅令です。
なお、100で割り切れる年も400で割り切れる年もこの期間存在しないので、実害は発生していません。事実上、太陰太陽暦からグレゴリオ暦への改暦が行われたことになります。