「宇宙の果て」を光で見ると、なにが見えるでしょう。遠くを観測(かんそく)するために大きな天体望遠鏡(てんたいぼうえんきょう)を使ったり、さらに遠くを見るために宇宙望遠鏡(地球のまわりをまわっている人工衛星(じんこうえいせい)にのせられた望遠鏡)を使うと、たくさんの「銀河(ぎんが)」が見えます。銀河(ぎんが)は私たちの太陽系のある「銀河系(ぎんがけい)」※1とおなじような星ぼしのあつまりです。天文学者(てんもんがくしゃ)はもっとも遠い銀河(ぎんが)までの距離(きょり)をおよそ150おく光年と計算しています(1おくは1万×1万です)※2。 「光年(こうねん)」とは光が1年間かけて進む距離(きょり)の単位(たんい)で、1光年は約9兆キロメートルです(1兆は1万×1万×1万です)。すごい距離(きょり)ですね。したがって、私たちが実際(じっさい)にその場所に出かけることはとてもできません。
さて、光が150おく年かかって私たちにとどいたということは、その光は150おく年前のものだということです。つまり、私たちは150おく年前の宇宙のようすを観察(かんさつ)していることになります。もっと遠くの銀河を見れば、もっと昔のようすが分かります。このようにして、「宇宙の果て」にある銀河(ぎんが)を観測(かんそく)すると、宇宙が誕生(たんじょう)したころのようすが分かります。
つまり、「宇宙の果て」には生まれたばかりの昔の宇宙があるのです。
「宇宙の果て」にある銀河(ぎんが)の画像(がぞう)は
http://oposite.stsci.edu/pubinfo/PR/96/24/B.html
を参照して下さい。※3
※1 現在では、私たちが所属している銀河を「天の川銀河」と呼ぶことが多くなっています。
※2 現在では、私たちが観測できる宇宙の大きさは約470億光年と推定されています。また、宇宙の年齢は138億年と考えられています。
※3 Hubble Deep Fieldのリンク先を変更しています。